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  • No.44

【レビュー】深みある低音が売りのナチュラルサウンド Massdrop Plus Universal IEMs


さて、今回は前回の記事で紹介した Massdrop Plus Univarsal IEMs の音質についてレビューを行っていきたいと思います。

紹介記事の通り、このイヤホンは Massdropブランドオリジナルイヤホンであり、根強い人気を持つイヤホンである「ER4SR」および「UERM」の様なリファレンスモニターを作成する事を目標としたみたいです。

 

【スペックについて】

Sonion製 BAドライバーを3基搭載し、複数のパッシブクロスオーバーネットワークを通して低域に2ドライバー、中高域に1ドライバーを割り振った3BA 2WAY構成となっています。

この構成はどこかで見た事があるような…そう、高級イヤホンの元祖とも言える「UE Triple.fi 10PRO」、通称10PROと呼ばれるあのイヤホンと同じ構成です。今だと後継機にあたる「JH audio Trifi 」ですかね。これはその内聴き比べする必要が出てきましたね…!いつになるかは分かりませんが。

音導管は2つで、中高域用の小さな円形ボアと低域用の三日月型ボアへ繋がっています。U4-SE のレビュー記事でも同形状の三日月型ボアがある事を記載しましたが、U4-SE も低域の表現に特徴があったので、この形状がアコースティック的な低域チューニングに役立っている様な気がしています。

周波数特性は 5Hz - 18KHz となっており、BAイヤホンとしては低域方向への幅が広い印象です。(一般的なBAイヤホンだと大体下限は20,30Hz辺り)またパッシブノイズ減衰は -26dB と高い部類。

入力感度は 109dB(1kHz) で、インピーダンスは 10Ω(1kHz) とありスマホ直でも音量が取り易く、鳴らしやすい部類かと思います。

 

【音質について】

24時間以上鳴らした時点での感想ですが、聴感上の音のバランスを決めるのが難しいですね。人によってフラットに感じるかちょっと低域が強めに感じるか別れそうです。環境はEarstudio直となっています。

【全体的な印象】

最初に聴いた際は高域がぱっとせず、若干低域強めなフラットサウントに感じましたが、しばらく聴き込むと明瞭感・分離感はそこそこに低域から高域にかけての繋がりの良さ、変な強調感の無いクリアでナチュラルなサウンドが癖になってきますね。特に透明感のあるボーカルが映えると感じました。

【低域】

中低域からより低い帯域に向かうに従って徐々に量感が増している様な、サブベース成分を多少ブーストしている様に感じました。低く深い音までしっかりと鳴らしてくれますがブーミーさというか主張は強くなく、音楽のグルーブ感・楽しさを演出する役割を必要十分に担っています。柔らかさとエッジ感・解像感を両立しており、低音に深みを付加しています。

【中域】

タイトルには「低音が売り」と記載していますが、このイヤホンのもう一つ魅力的な部分として中域が挙げられます。中低域からの自然な繋がりで明瞭感が感じられ、この帯域が一番フラットなバランスだと感じました。ボーカルはドライ傾向で近過ぎず遠過ぎずな距離感で鳴らし、歯切れ良いです。

【高域】

ハイハットやシンバルの残響感・煌めき感は少な目で、突き抜けるような伸びのある高音が好きな人はちょっと不満を覚えるかも知れません。刺さりや変な強調は無く、ニュートラルに必要十分な量を鳴らしている様な印象です。一聴するとちょっと暗めでぱっとしない音に感じますが、聴き込んでいくとこれ位のバランスが丁度良いと思わせられるチューニングとなっています。

【比較】

Westone UM Pro30(旧モデル):同じく3BAの UMpro30 との比較ですが、まず低域の鳴らし方が違いますね。UMpro30 は中低域から低域にかけて量感が多くエネルギッシュな印象、Plus IEMs はより低い所にピークを設けており中低域はスッキリとした印象を受けました。中域については UMpro30の方が近くで鳴らしており中低域にかけて少しモヤッとした籠り感を感じます。高域は結構似た鳴らし方ですが一聴して UMpro30 の方が僅かにアタック感が強いかと。解像感はどちらも余り差異は無く、UMpro30 は分離感 Plus IEMs は滑らかさが特徴となっている様に思います。

64Audio U4-SE:こちらも Massdrop 限定イヤホンです。ドライバ数は一つ増え4BAとなっており、Plus IEMs と比べて全体的にシャキッとしたメリハリのある音作りになっています。解像感は Plus IEMs も負けていません。U4-SE の方が低域の量感が多く高域のエッジが立っており若干Uシェイプ寄りな音で聴いていて楽しい音ですね。

 

【感想とか】

分離感やメリハリを前面に押し出した元気なサウンドとはちょっと違いますね。じっくり聴き込んで改めて良さが分かってくる様なイヤホンです。

約3万円で入手出来るイヤホンとしては悪くないのですが、同価格帯の競合機種に勝っているかと言われるとそうでもありません。ですがこれで音楽を聴いてから他のイヤホンを試すと、そのイヤホンの良い所・特徴が分かってくるリファレンス機となれる魅力を感じました。

もちろん抜群のフィット感と遮音性、ナチュラルな音傾向から普段使いのメインとしてもその役割を果たしてくれます。ある程度傾向が分かった上で購入するのであれば後悔はしないイヤホンです。

 

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どうも。 タイトルの通り、去年3月頃よりブログをWixからはてなに変更してレビュー記事などを書いております。 今後の記事更新は新ブログの方で行っていきますのでお見知りおき頂ければ幸いです。

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