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  • No.44

【レビュー】かつてのフラグシップは健在…! Noble Kaiser 10 Universal IEMs(Massdrop)


どうも、No.44です。

今回は久し振りの弩級イヤホンの着弾になります。それがこちら。

 

Noble AudioからKaiser(皇帝)の名を冠した10ドライバ搭載のフラグシップ機種として登場したこちらのイヤホンは、一時期(今も?)イヤホン好きの憧れになれる一機だと思います。多ドライバなほど音が良いという考えではありませんが、2桁を超えてくるとある種の特別感・箔がついてくる感じがしてきます。

価格は$600と大体日本円で65000円前後ですね。一見高く見えますが元々の設定価格が約20万円と考えると破格です。以前Massdropにて販売された時は$1000だったり$900と徐々に下がってきている傾向でしたが、最近になり$600と大幅な値下げですね(そもそも$1000ですら安いと話題になった位です)在庫最終処分の投げ売り特価に感じ、次にまた同じ価格で入手する機会は無いのではと思い、購入を決断するに至りました。(プラスαで2.5mmのバランスケーブルもオプションで購入しました。こちらは$40でした。)

他にも元々は結構高価だった機種が投げ売りされているものもちらほらと見かけますね。(EchoboxのDAPやイヤホンとか)こういった思いきった価格設定がMassdropの面白い所ですね。ちょっとしたお祭り感があります。

購入から到着までが5日とアメリカからの発送としてはかなりのスピード配達でしたね。以前は月単位で待たされる事も多かったので、もしかしたら倉庫のストック品だったのかも知れないですね。また、Massdropサイト内での配達状況がずっと変わらないままだったので不安に思い、「17TRACK」という多くの配送に対応した追跡サイトを活用したところ、詳細な発送状況が確認出来ました。同様に状況が変わらないままな方はこちらのサイトで確認してみるのも良いかも知れません。

※K10U自体は樹脂筐体の初期版とアルミニウム筐体(限定版も含む)の2種類が存在しており名称にもAlminiumと記載がありますが、MassdropではAlminiumは省略されているので、ここでの呼び方は以降K10Uとさせて頂きます。

 

【スペックや使用感について】

まずはmassdropに記載されている大まかなスペックを羅列します。

  • 片側10基のKnowles製BAドライバーを使用、低域用2基、中域用2基、中高域用2基、高域用2基、超高域用2基のドライバーを4WAYネットワーク回路で制御

  • インピーダンス:35Ω

  • 周波数特性:15Hz-20kHz

  • 重量:25.5g

となっております。入力感度については記載されていませんが所持している他のBA機種と変わらないくらいで、以前レビューした Final make2 よりもずっと音量は取りやすいです。聴くだけならスマホでも十分ですが、インピーダンスは若干高めなので良いアンプだとより本領を発揮出来るのではないでしょうか。後ステムから見える孔こと、ボア(音導管)は3つです。

そして付属品がこちら。

  • イヤホン本体&3.5mmケーブル

  • ペリカンケース&カラビナ

  • イヤーピース11ペア

  • クリーニングブラシ

  • 収納ポーチ

これらがペリカンケースに入って簡易的な梱包で送られてきます。コストカットが随所に感じられますね。割り切ってて私は良いと思います。後は1年間の保証も付いてくるみたいですね。購入した際は領収書などは失くさない様にしましょう。

では使用感等についても少々、

・フィット感は自分には浅めな印象です。装着後の見た目も比例して筐体の多くがはみ出して見えます。調べた所、初期版に比べるとステム部分が長くより奥にイヤホンを差し込める様になったみたいですが、 Shure や Westone のイヤホンの様に耳のくぼみにすっぽり収まる形状ではありません。細くなった先端部分をそのまま耳穴に差し込むだけなので中のイヤーピースの弾力・摩擦力で固定する事になります。

そのため、よりイヤーピース選びはじっくりと行った方が良いかと思います。自分の場合は普段はMサイズのものを使用する事が多いのですが、今の所 K10U についてはLサイズの方がしっくりと来ました。もう少し奥に押し込みたい感じもあり、 Spinfit にした所、自分の両耳にしっかりとフィットする感覚を得られました。左右のフィット感に悩まされる事が無くなり非常に満足しています。付属のもので十分なフィット感が得られない場合は他社製のイヤーピースを購入するのも選択肢に入れた方が良いと思います。

・筐体はアルミニウム製で削り出しの細かい模様は高級感があります。ギラギラ反射する様な印象はなく若干マットな仕上がり。触っても指紋が目立ちにくいのは良いですね。寒い日に着けるととてもひんやりします。またAlminium版の筐体カラーは通常レッド&シルバーなのですが、Massdrop版はシルバー部分がブラック仕様となっておりよりシックな雰囲気が伴う様になりこちらの方が個人的には好みですね。

・ケーブルは付属の3.5mmと2.5mmバランスをオプションで購入しましたが基本的にプラグ径以外の造りは変わりません。どちらも4本の導線で捩じられて構成されており柔軟で曲げ癖もそこまでつかない印象です。耳掛け部分はアーチ状の形状記憶の被膜で覆われており装着も外すのも楽です。分岐も金属製のシルバーカラーでNobleの王冠ロゴがワンポイントで入っています。ケーブルスライダーはシンプルな透明被膜ですね。下手にギラギラしていたり丸かったりせずシンプルです。プラグはストレートタイプで1.5cm位のサイズ、円柱形の一部が平らになっており摘みやすい印象でした。個人的にはこれ位シンプルで黒を基調としたデザインのケーブルが好みなので非常にありがたいです。これ(バランスケーブル)単品で欲しいです。(Nobleさん是非オプション販売も…!)iPhoneの方は以下の画像の真ん中、lightningコネクタタイプを購入するのもアリですね。

 

【音質について】

※上の表は音の量感を表したグラフで、高いほど高音質と言う訳ではないのでご注意下さい。

環境は XperiaZ5C から Earstudio にて聴いています。

【低域】

ベースの量感も感じられ、芯がしっかり通っている印象を受けます。輪郭もはっきりと、エッジが立っています。中高域を邪魔する感じはなくしっかりと分離というか分けられている様に鳴りますね。キックやベースの沈み込みを担うサブロー成分は他の帯域に比べると少な目です。あくまでも相対的な評価で、聴くことはもちろん出来ます。徒歩等低音がマスキングされやすい状況だと低音に包まれる感覚は弱まりますね。

【中域】

ボーカルはかなり明瞭でハキハキとした印象を受けます。ベースにマスキングされずしっかりと前に出てきます。ウェットかドライかで言うと結構ドライな鳴り方ですね。コーラスのハーモニーもメインボーカルを濁らす事無く気持ち良く聴けます。弦楽器の弦の響きも感じられますね。

【高域】

粒立ちの良さが際立ちます。ハイハットがチキチキと歯切れ良く鳴りますね。このイヤホンの魅力の一つではないでしょうか。その分曲によってはボーカルのシやチといった歯擦音の刺激が強い(刺さる)と感じる方も居るかもしれないですね。自分の場合は試聴した幾つかの曲で刺さりが気になる所が有りました。(64AudioのU10だと刺さらず)僅かにシンバル等のパーカッションの残響感もある様に思います。

【全体】

各帯域の主張は激しいのですが、それが互いに邪魔をしてしまう事も無く、バランスが崩れない絶妙なチューニングがなされています。その結果フラットな印象を受ける人が多いのかなぁと邪推しています。情報量はかなり感じられるのにすっきりとした印象(透明感)を受けます。高域が特に明るめに鳴るので割と元気な音にも感じられます。傾向としては以下の通りとなっております。

・ケーブルを2.5mmバランスケーブルに変更して聴いてみると、各楽器の位置関係がより整理された様に感じます。低音の厚みも増して全体域での音の押し出しが強くなりますね。滑らかさも増して帯域の繋がりもよりスムースで良くなった印象です。

【64Audio U10との比較】

同じ10ドライバー搭載機種として気になっている方も居るかも知れませんね。傾向はいざ聴いてみると結構違います。これこそチューニングの妙といった所でしょうか。私としてはU10が本当にフラットバランスで平坦な印象、まさしくモニター系でK10Uがフラットながらも音楽的で若干リスニング寄りに感じられます。聴き込むとU10の凄さにも気付けるのですが、分かり易く明瞭(クリア)で綺麗な音はK10Uではないかと思います。どちらも良いイヤホンである事に変わりはありません。長時間聴くならU10も良いでしょう。好みで選んでもらえれば幸いです。

 

【感想とか】

現在もKaiserの名は引き継がれて後継モデルが続々と登場していますが、色あせない音作りがされていると痛感させられます。

この価格帯、スペックのイヤホンとなるともはや好みの域で基本的な性能は全て高水準にまとまっているので、それこそ後悔しないためにも是非聴き比べをして欲しいなぁと考えています。最近ヘッドホンやイヤホンをレンタルできるサービス(ONZO)なるものが出てきたみたいなので、色々な機種を比較的気軽に聴き試し出来る機会が出来つつあるのかも知れません。まだα版という事でラインナップは今後も拡大していくとの事です。自分もeイヤホンなど近場に様々な機種を試聴出来る場所に住んでいないのでどんどん浸透していってほしいと思います。その頃には理想的な運用モデルが出来ていれば尚良いんですけれどね(笑

 

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