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  • No.44

【レビュー】オーグライン撚り線ケーブル(+pt、+αハイブリッド) 正統派グレードアップサウンド

どうも、のんよしです。

今回はこちらのケーブルをレビューしていきたいと思います。


オーグライン撚り線ケーブル(+pt、+αハイブリッド)

オーグライン撚り線ケーブル(+pt、+αハイブリッド)

こちら個人製作によるケーブルで、最近リケーブルについてのレビュー記事を書いていた所Twitterで声を掛けて頂き試聴する運びになった次第です。ありがとうございます。


オーグラインという線材の存在は知っていたのですがメーカーで取り扱っているものとしてはオヤイデ電気制作による物ぐらいで、多くが個人製作によるものです。かつてヤフオクで落札してオーディオテクニカの2BAドライバー機種、IM02に使っていたのが懐かしいですね。+ptや+αではないノーマルのオーグラインケーブルでした。音に癖がなく自然にグレードアップしてくれていた覚えがあります。

この線材が一般メーカーで余り取り扱われない理由として、イヤホンケーブル用途として作られていないというのが第一に挙げられます。主な用途は電源ケーブルやインターコネクトケーブルとの事。それをイヤホン用リケーブルとして転用したのが本ケーブルという事なのですね。

線材そのものの仕様については以下をご参照ください。

そんなちょっと珍しいケーブルの効果を体感してみたいと思います。先日レビューしたリケーブル達も併せてお読み頂けると幸いです。

それでは本題に入っていきましょう。

 

【スペック】

  • 材質:オーグライン+pt撚り線0.14sq(正極)、オーグライン+α撚り線 0.14sq(負極)のハイブリッド構成

  • プラグ:Pentaconn OFC 4.4mmバランス

  • コネクタ:Rosenkranz 方向性管理・選別マッチドペア端子 RK-IEM/U


加工方法は製作者様オリジナルで、オリジナル線材の上に1mmの熱収縮チューブを伸ばしてラップしています。線材の耐熱強度が低く制作時の線材破損のリスクからケーブル作家の方でも中々やらないとの事。凝った加工がされているんですね。

 

【外観・使用感について】

ケーブル外観
ケーブル外観

個人製作によるケーブルなので多少の粗は仕方ないものですが、丁寧に造られています。クリアの熱収縮チューブを被せてあるので元の線材の皮膜の色が見えカラフルです。しかしやり過ぎ感は無く安っぽさは余り感じません。


取り回しですが、STEケーブル程の柔らかさはありませんがケーブルに程よい重量感があり癖も付きにくい印象です。ちょっと弾力があって曲げにくい様に感じました。小さく丸めて収納するのは少し難しそうです。タッチノイズは僅かにある位ですが神経質な方でもない限り許容範囲内だと思います。


他の項目は個人製作によるものなので割愛したいと思います。

 

【音質について】

環境はHiby R5のバランス接続になります。

またケーブル名称を「オーグライン」と省略させて頂きます。


【64AUDIO N8:Obsidian→オーグライン】

傾向は結構似ているのですが、低域の押し出しや厚みが増しつつまろやかになり迫力が増しました。しかし音がぼやける事はなく芯があり輪郭がはっきりとしているのが分かります。中高域は更にシルキーになりハイハット等金物の響きがより感じられ僅かに残る残響感が気持ち良いですね。サウンドステージも相応に広くなり音がゴージャスになった印象を受けました。


【64AUDIO U12t:Ag W16→オーグライン】

Ag W16であった低域の量感の多さはマイルドになり、柔らかくスッと広がる様になりました。そして中高域はより前に出てシルキーながら明瞭に鳴る様に。64純正ケーブルで感じられた中高域の粒立ちの細やかさが復活しメリハリが出て明るくなった印象を受けます。それでいて純正の様な音の細さは感じさせず、やり過ぎ感も無くこれこそ純正から正統進化したサウンドですね。今回リケーブルした中でもかなり好みなサウンドを鳴らしてくれました。


【64AUDIO U8:Ag W16→オーグライン】

中低域が若干ぼやけていたのが鮮明になり輪郭がはっきりしました。また低域のゆるさに締まりが出てスピード感や芯が感じられる様に。Ag W16ではちょっと粗い・刺さり気味と感じていた金物のアタック感というか鳴りの角が若干丸くなりマイルドになった印象で聴きやすくなりました。それでいて解像感は損なわれていないのは流石オーグラインと言った所。


【64AUDIO U4-SE:純正→オーグライン】

魅力の一つでもあったクリスピーな中高域がより粒立ち細かくくっきりと鳴る様になりました。金属のチャキチャキした響きが気持ち良いです。ボーカルは瑞々しくも艶感が出てより生々しさを増して感じられました。低域は芯が出て力強く、かつもったりとしないスピード感を持ち合わせています。


【Massdrop PLUS IEMs:純正→オーグライン】

純正でのレンジの狭い感覚が緩和され上にも下にも伸びる様になりました。このレンジの狭さが聴き込む程に耳に馴染み心地良くなるという魅力があったのですが、その個性は残しつつ味付けし過ぎないバランスの良さを感じられます。ボーカルが近く生々しくなり吐息まで鮮明に聴きとれますね。ドライな高域にアタック感が加わり更に研ぎ澄まされて聴こえます。ちょっと刺激的かも。元々あった音の粗さもマイルドになりました。


【全体】

正統派でまんべんなく全帯域をグレードアップしてくれる印象です。音の密度を増しつつ金物の響きを乗せてくれ、生々しさが感じられました。この響きと押し出しが強くなりつつもスピード感ある低域がしっかりと土台を担ってくれる様になる事でサウンドステージも広くなりますね。明瞭感は損なわずに音にシルキーさというか丸みが感じられ、艶感が増して聴きやすいサウンドになります。音の味付けも先日レビューしたSTE Cable程極端でなく程よい塩梅です。

製作者いわく特にマルチドライバ搭載イヤホンと相性が良いとの事でしたが、確かに手持ちの多ドラ機種とは良い方向での変化を感じられました。しかしObisidianの様に音にピーキーさが無いので、イヤホンを選ばない万能さをも持ち合わせている様にも思えます。

 

8芯構成になると、更に音がスケールアップしスピード感が増すとの事。芯数の変化による音への影響はまだ未体験ゾーンなのですが、4芯ですらこれ程の効果が感じられたのに更に上があるとなると非常に気になってきます。


価格も製作者様より約3万円という事で高級な線材に対して比較的リーズナブルな価格です。STEケーブルを買っていなければ飛びついていたかも知れません。個人製作は比較的お財布に優しいケーブルが多くてほんと有難いですよね。


今まではコネクタ部分が緩くなったりしてしまうのを嫌って余りリケーブルには積極的に取り組んでこなかったのですがこうも変化を味わえると色々と聴き比べたくなってしまいますね…劣化しない2pinコネクタが出来ないものか願うばかりです。


ケーブルは買っても自分で作ってみるのも比較的とっつきやすいカテゴリです。お手軽ながら音の変化を楽しむバリエーションをより豊かなものとしてくれるので、eイヤやオヤイデ電気を始めお店に行った際は是非手に取ってみて下さいね。


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