【レビュー】NobleAudio FoKus H-ANC TWSイヤホン界の3万台革命児
- No.44
- 2022年9月23日
- 読了時間: 8分
どうも、のんよしです。
今回はこちらの完全ワイヤレスイヤホンを購入しましたのでレビューしていきたいと思います。

元々FoKus Proも試聴していたのですが、音は好みだったもののちょっと迫力があり過ぎて疲れるし何より値が張るので購入に二の足を踏んでいたのでした。そこにH-ANCが出ると聴いてNobleのハイブリッド機種なら間違いないと思いました。
発売後eイヤホンさんの店頭で試聴してみたらその音の明瞭さと値段のバランスの取れた印象で一瞬で購入を決断してしまったのでした…
カラーが2色から選べて今回Nobleとしては珍しいパープルも選択出来ましたが、そんな冒険する事は出来ず無難にブルーを選択。自分が購入した初代FALCONと同じ色でやっぱり NobleAudio のTWSイヤホンと言えばブルーかなってイメージがありますね。
まぁ御託は置いておいて本題に入っていきましょう。
【スペック】
公式に大体書いてあるのでこちらのリンクからどうぞ。
【使用感】
フィット感:XM4でも今まで十分良かったんですが耳の収まりが良いだけで結局イヤピだけで保持する感じだったんです。FoKus H-ANCはイヤピだけでなく筐体でもしっかりとイヤホン本体を保持してくれるのでとても良いフィット感でした。スポーツほど激しい運動には向きませんが日常使用であればずり落ちる事はまずないでしょう。また筐体は少し耳からはみ出ます。(自分の耳だと下記写真くらい)あと日光に照らすと黒いシェルにラメ装飾がされているのが分かります。お洒落。

イヤピ:純正イヤピは丸みがありつつものっぺりした感じでフィット感はまぁそこそこでした。なので自分はeProの Horn-Shaped Tips、TWS用を採用しています。フィット感は良好で純正Mサイズより密閉性が上がり、より低音の迫力を楽しめる様になりました。某カジェログさんはAZLA SednaEarfit MAXをおすすめしているみたいですね。音質ならそっちの方が上かも。
ケース:マグネットが内蔵されており、パチッと収納できます。筐体に丁度指が引っかかるくらいの窪みがあるので取り出しもつるつる滑るXM4に比べて楽でした。ケース自体もコンパクトでさらりとした質感にアルミの蓋がおしゃれです。これは保護ケース無しで使いたいかも。
バッテリー:実使用でのバッテリー持ちが非常に良いですね。XM4並かそれ以上かも。ノイキャンを切ってバッテリー消費を更に少なくすれば夜行バスのお供も楽々こなしてくれそうです。
操作感や接続性:タッチ音がありません(仕様)。ですがXM4並とはいかないながらそこそこきびきびと反応する印象です。困るのがノイキャン機能の切り替えで3秒センサーにタッチしないといけないのですが、4モードをループさせる必要がありXM4の様にパパッと外音取り込みモードとかに出来ないですね。これは要らない機能を省ける様にアプリで調節出来る様になると良いですね、今後のアプデに期待です。また接続性はそれなりでXM4には及ばないですね。1階に親機、2階にイヤホンって持って行こうとすると時々音飛びが発生しました。ポケット運用であればそれほど困る事はないと思います。
ノイズキャンセリング機能:XM4に比べるとFoKus H-ANCは効きが甘めです。ですが電車など低音成分の多いノイズはしっかりとカットしてくれているのを感じられます。強調感が出ない範囲で優しいのでノイキャンの独特の圧迫感が嫌いな方には丁度良いかも知れません。
外音取り込み機能:自分の声もしっかり拾ってくれるのか自分の声が前方から聴こえるのでちょっと気になりますね。後わずかにサーノイズも乗ります。あと音が少し遠いかも。SONYのWF-1000XM4の方が癖も無く自然です。しかし軽い会話程度なら特に問題なく家族やコンビニで会話する事が出来ました。
通話機能:自分のスマホではイヤホンのボタンで出るとイヤホンから。スマホのボタンで通話に出るとスマホから音がしました。仕様なんでしょうかね。音質は通話出来るレベルですがマイク性能が微妙でちょっと大声で喋るか静かな場所じゃないと聞き取れない事もありました。
拡張性:専用のアプリで機能やサウンドのカスタマイズが可能です。内蔵メモリで記録してくれるので一度アプリで設定すれば以降他の音楽ストリーミングアプリ等でも同様の操作が適用されます。アプリの操作も比較的直感的に操作できEarStudioみたいにあれもこれも弄りまくれるって訳ではありません。個人的に欲しい機能はカジェログさんでも言っていた「ノイキャン周りの機能のカスタマイズ」と個人的に「音楽を停止すると外音取り込みモードに自動で切り替わる機能」ですね。これがあれば音楽を停止してイヤホンを外さずすぐに会話に移行できるので非常にスマートです。NobleAudioさんがこの機能を実装してくれたら一生ついていきます(笑)
メンテ:比較的凹凸が少なくデザインされており、汚れてもウェットティッシュなどで気軽に手入れ出来ます。さらさらとした触り心地の筐体はタッチセンサー部以外は若干皮脂の付着が目立ちやすい様に感じます。
【アプリについて】
パーソナルモードでのEQ調整は合う合わないがあります。自分は合わない側でした。初期状態のバランスが好きな方はここに関しては何も弄らないのが吉です。変に弄るとデフォルトEQでも戻せなくなります。被害者が自分含め数名居たのでここ改善して欲しいですね。本格的な聴覚測定(耳鼻科より精密!)で少し時間もかかるのでしっかり閉所、静かな場所で行いましょう。参考に自分のおすすめ操作設定を置いておきます。


【音質について】

※上の表は音の量感を表したグラフで、高いほど高音質と言う訳ではないのでご注意下さい。環境はiPadとPixel4aでコーデックはどちらもAAC、エージングは10時間程度です。
【低域】
量感自体はそこそこタイトですが緩さは程々にズン、ドンと弾むような低音を直接鼓膜で感じる事が出来ます。キック類の弾力がしっかりと感じられるので音に立体感を生み出しています。強調感や圧はそれなりで圧迫感は多少あります。低音が出すサウンドステージは結構広めですね。輪郭や解像感はそれなりでDDドライバらしさが感じられます。
【中域】
ボーカルは刺さる手前までかなり明るく伸びしっかり解像感や明瞭さを感じられます。非常にフレッシュで瑞々しいボーカルですね。距離感も近くコーラスが目の前でぶわりと左右へ広がる様が非常に心地よいです。傾向はちょいウェット寄りのナチュラル系。歯擦音は最初ちょっと気になりましたがエージングが進むと緩和されます。BAの効果がしっかりしているのかどんな傾向のボーカルでも魅力的に鳴らす力を秘めています。
【高域】
強調感はちょっとありますがTWSの中ではトップクラスと言っていいほど高域がガッと伸びます。閉塞感は今までのTWSの中で一番と言っていいほど無く、金属的響きも確かに感じられます。ちょっとBA臭さがありますがこれもエージングでマイルドになります。
【全体】
一聴して感じたのはとにかくシャープでクールな音。あえて分類するなら弱ドンシャリ系ですが中域も近く全帯域がグイグイ前に主張してくれるので音楽をXM4比で1.5倍はノリノリで楽しめるまさしくリスニング系サウンドです。Pro程ではありませんが音に密度があるので情報量の多い電子楽器類を分離して聴く様に楽しめますね。クラシックをしっとりと聴くよりかはPOPSやEDMをハイテンションで聴きたい時に向いていると感じました。
音の定位はまずまずと言った所でしっかり楽器の位置を判別出来ます。
各帯域の繋がりはまずまずと行った所で破たんはしていませんが滑らかかと言われるとちょっと違う気がしますね。低域はふくよかに、中高域はシャープにって感じで傾向が異なるので。そのおかげか今までのTWSにないワイドレンジ感を実現している印象です。先日レビューしたAudiofly AF1120 MK2が昔ながらのアナログ傾向な音とすると、H-ANCは現代的でHiFiな音です。
また同じAACコーデックなのにiPadとPixel4aでは音に僅かに違いが現れました。4aの方がシャープ、iPadは若干ウォームといった具合です。

【エージング経過】
開封後の聴き始めではBAらしいシャリつく中高域が目を引きます。これが逆に音のスパイスとなって気持ち良かったりするのですが約10時間も聴き込むとそれが少し落ち着いてきて耳当たりがマイルドになります。そしてタイトだった低域に余裕と弾力感が生まれ、よりふくよかに出てくるようになりました。結果としてマイルドな傾向へ変わったと思います。
【FoKus Proとの試聴の上での比較】
個人的にはH-ANCの方がProよりもBAらしさが残ったシャープな音の印象を受けました。後Proはもうちょっと低域が緩めなのでウォームに感じます。情報量の多さではProが一枚上手で音の密度が半端有りません、ぶわっと音圧に圧倒されます。H-ANCは明瞭さで感動させる系ですね。個人的にはH-ANCの方が好みでした。
これこそハイブリッドのやんちゃなサウンドだなって感じです。ばりばりリスニング系。フラット系やモニター系、ウォーム系を好む人には絶対合わないと思います。その日は他にも高価格帯の有線イヤホン達も試聴したのですが一聴目のインパクトは圧倒的に FoKus H-ANC に分がありました。普通に同価格帯の有線イヤホンなら軽く蹴散らすポテンシャルを秘めています。(手持ちの64AUDIOより好きかも…)オラッ!この音が好きなんだろ?みたいな俺様系サウンドに私の心はメスにされすっかり打ちのめされてしまいました。食べ物で言うとちょっと品の良いジャンク系でしょうか。

余り言いたくはないのですが、かつて所持していたNobleAudioのK10Uよりリスニング的で僕は好きです。解像感とかは流石に敵わないんですけれどね。
今後の3万の基準の音はXM4とMW3とこれになるでしょうし今後出てくるであろうTWSが楽しみになる一機でした。今だとカスタムイヤピを使えるfinalのZE8000とか前身になってくれそうです。将来的に出てくるであろうカスタムIEMの様なTWSが増えてくるのではないでしょうか…!(もう存在自体はあるんですけどね!実用化されてないだけで…)
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