【レビュー】CampfireAudio Andromeda SE Gold 銀河界の異端児
- No.44
- 2020年9月2日
- 読了時間: 6分
更新日:2021年8月24日
今回はこちらのイヤホンを入手しましたのでレビューしていきます。
Campfire Audio Andromeda Special Edition Gold

手持ちのイヤホンを色々と整理していたらまとまったお金が出来たので、以前から気になっていたアンドロメダ界隈のイヤホンを一つ購入しようと思っていた矢先、丁度良い出物があったので思わず買ってしまいました。
この界隈も一枚岩ではなく様々な限定モデルが出ているのです。モデルによって微妙にチューニングが異なるのも界隈で派閥が出来る理由の一つとなってますね。こちらのモデルは国内200台限定の中々に見掛けないモデルです。そこに惹かれたのもありますね。某ショップでは未だに中古価格15万円台と通常メダの新品よりも高価格なのがまた凄い所…。だって名前にスペシャル入ってますからね。
【スペックや使用感について】
記載のスペックを羅列します。
感度:116dB SPL/mW
周波数特性:5Hz-20kHz
インピーダンス:7Ω/1kHz
ドライバ構成:7BAドライバー(Low x4,Mid x1,High x2)
やはりCAのJupiterや通常メダの様に感度は高いです。高いですが通常メダよりは若干低め。音量を取る分にはDAPは余り選びませんね。
ドライバーは驚きの7BA、他のアンドロメダシリーズはチューニングの違いはあれど5BA構成なのは変わらないのですがこちらは低域に2BA追加しちゃってます。それはもはやアンドロメダと呼んで良いのか疑わしいですがメーカーがアンドロメダと名付けたからそれはアンドロメダなのでしょう。
そして独自技術のTuned Acoustic Expansion Chamber (T.A.E.C)を搭載してます。ドライバーにチューブ等の音導管ではなく3Dプリンタで形成した専用の音の通り道を作る事でチューニングするやつです。後はこのアンドロメダは他のアンドロメダと違い、抵抗やコンデンサー等のフィルター回路(クロスオーバー回路)を用いないクロスオーバーレス設計みたいですね。つまりはドライバー達の素の音をアコースティックなチューニングのみで上手くまとめたイヤホンになる訳です。開発側は設計大変だったでしょうね。
【内容・付属品】
※中古入手の為、メーカー記載の物を羅列します。
Smoky Jacket Litz Wire Earphone Cable
Premium Campfire Audio Leather Earphone Case
Protection Sleeve
イヤーチップ(シリコン, フォーム, E-Type イヤーチップ)
クリーニングツール
イヤホンケースが革製でこれまた高級感があるんですよね。高そうなので逆に使えてません(貧乏性)。そしてイヤホン同士の衝突による小傷防止に分割されたポーチが付いてきます(確か3つくらい入ってます)。金属筐体のイヤホンですし角ばった形状ですからね。少し手間ですが持ち歩くときはポーチがあると精神的にも保険になります。
【使用感】
まずはフィット感ですが通常メダよりもステムが長く設計されており、より耳の奥に入る形状になってます。それもありフィット感は通常版よりも若干ばかり良いと感じました。しかし密着感は弱目で基本的にはイヤーピースとケーブルで固定してイヤホン本体は耳の窪みに収まるだけな感触。イヤホン自体が軽量なのでそれ程気にはなりませんでした。
耳の奥に入りやすい様に自分の場合はSpriralDotのSサイズのイヤーピースを装着しました。一回り小さいサイズを選ぶとフィット感が向上すると思います。
自分の耳のサイズは中くらいだと個人的に思いますが耳の小さい方はイヤホンの角が耳に当たって痛みを感じるかもしれません。イヤホンサイズは他のメダと変わらないので自覚のある方は一度eイヤホンやヨドバシ等実店舗で試聴してみるのもアリですね。正直、前回のFidueの件もあり大体のIEM型イヤホンは装着感良い気がしてきてます。

ケーブルはこの型からSmokyケーブルになった感じですかね。おおむねグレーなケーブルで飾らない良いデザインです。ケーブルは柔軟で癖も付きにくく取り回しも重過ぎず軽過ぎずで良好です。耳掛け部分はフック状の形状記憶の皮膜で耳当たりも良いです。
MMCXコネクタはイヤホンがくるくる回ってしまうのが苦手な印象でしたがこちらは比較的硬めに固定されて回りにくくなってますね。個体差でしょうか。まぁ緩んだらワッシャーやダンパーを噛ませれば良いだけですが。左右の区別はコネクタ部分に赤点(右)と青点(左)があり分かりやすいですね。

個人的な話ですがフックが柔らかいケーブルはイヤホンスタンドに掛けるとイヤホンの自重でずり落ちやすいんですよね…ちょっと引っ掛け方を工夫する必要があったりします。eイヤホンのイヤホンスタンドの形状がちょっと羨ましいんですよね。どこかで入手する方法があったりするんでしょうか。
【音質について】

※上の表は音の量感を表したグラフで、高いほど高音質と言う訳ではないのでご注意下さい。環境はEarstudioのLDAC接続です。
【低域】
・通常メダと比べどっしりと構えて量感が増している。相対的に全体的な音の重心もより低くなっている。この低域に引っ張られる様に中高域が若干引っ込む様に感じるのかも知れない。
・BAのみの機種としては沈み込みもしっかり感じられる。
・若干柔らかいか暖かみのある印象。しかしアタック感・解像感は犠牲になっていない絶妙なバランス。
【中域】
・この帯域から中高域にかけての情報量の多さはメダらしさを感じさせる。
・ボーカルは比較的近く生々しさを感じられる。コーラスが左右にぶわっと拡がるのが気持ち良い。
・低域にマスクされる印象は無く滑らかに繋がっている。
・明瞭で歯切れ良い。
【高域】
・金属的な響き(リバーブ)や煌めき感はそこそこに抑えられており、通常メダと比べると突き抜ける様な爽快感は弱まった印象。
・量感自体は少なくなく、細部まで明瞭に聴きとる事も出来る。
・パーカッションだとシャリシャリとサラサラの中間くらいのイメージ。
・帯域別の量感だけで考えると一番少ない様に感じる。
【全体】
・どの帯域も余裕のあるバランスの良い鳴らし方。
・低域は柔らかく中高域は硬めな印象。しかし帯域の繋がりの悪さは感じさせない。
・シンバルやハイハットのみのシーンではハッとさせられる様な明瞭さがある。
・通常メダを聴いた事がある方に簡単に言うと通常メダの個性(癖?)を少し薄めてより万能機種にした印象。某所レビューの無印とSの良いとこ取りは流石に言い過ぎかも知れない。
・中高域の情報量もありつつ低域の量感は増えている訳で、濃い音になりながら通常メダ以上にどんなジャンルもそつなくこなしてくれる印象。通常メダがしっくりこなかった方にこそGoldは向いているのかも知れないと個人的に思う。

【感想とか】
無試聴特攻となりましたが結果的に満足いくイヤホンでした。購入後に同好の士にGoldを聴いてもらったのですが共通した感想は「通常メダとは別物」という所。その方はダイナミック型ドライバ派の人間でしたが私の手持ちイヤホンの中でGoldが一番好みだったみたいです。DD派の方々に一石を投じるイヤホンなのでは?と密かに思うのでした。少々お高いですが…
ベースそしてボーカル!これらを気持ちよく聴きたいならばGoldは一聴する価値があると思います。eイヤホンさんなら中古品売り場にまだ置いてあるはずなので頼めば試聴する事も可能かと思われます。通常メダの音が気に入っている方はGoldを買うとその音の違いに拍子抜けするかも知れませんね。
最近同じメーカーから同じドライバ数、同じクロスオーバーレス設計のAraが登場しましたね。チューニングの妙でどう異なるのかちょっと気になってきつつあるこの頃です。
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