今回レビューするのはこちら、SONYのXBA-A3になります。
ヤフオクやメルカリを漁っていた所、程度の良いタマを見つけたので購入してしまいました。付属品は一部付いてこないのですが価格は1万円を切る位で発売当初の3万円を考えるととてもお安い。
ちなみにXBAシリーズは過去にH1、A2と所持していたのですがフラグシップのH3やA3を妥協する形で所持していたので最終的には手放してしまっていたんですよね。特にA2はケーブルだけA3のケーブル(形状記憶のやつ)を購入してA3気分を味わってました。それ位にはコンプレックスのあった一機でしたね。
かつてのちょっとした憧れの機種を入手する事が出来てご満悦の中、軽くレビューもしていきたいと思います。
【スペックや使用感について】
まずは記載されているスペックを羅列します。
感度:105dB
周波数特性:3Hz-40kHz
インピーダンス:32Ω
ドライバ構成:ハイブリッド3WAYクロスオーバー(16mmダイナミック(低域)+2BA(中高域))
音圧感度は低めで音量は若干大目に入れてあげる必要があります。そしてXBA-A3といえば16mmダイナミック。筐体からして存在感があります。この独特な形状はXBAそのものですね!ちなみに個人的な印象ですがダイナミック型は音圧感度が低めな印象があります。
付属品は中古で入手したので全て付いてきた訳ではありませんが、公式のものを記載します
ハイブリッドイヤーピース(SS,S,M,Lサイズ)
シリコンフォームイヤーピース(S,M,Lサイズ)
マイク・リモコン付きケーブル
ケーブル長アジャスター
キャリングケース
ケーブルクリップ
これに通常ケーブル&イヤホン本体が付いてくる訳ですね。個人的にキャリングケースは欲しかったのですが中古の為欠品でした、残念。更に純正ケーブルのリモコン無しも付いてこないという。リモコンありの方が音が良いという情報も耳にしたのでまぁ気にしない事にします。このイヤホンはIEMらしからぬその形状から収納に困るので少し大きめのイヤホンケースが無いと収納に難儀してしまいますね。ケース選びも重要になるイヤホンかと思います。
使用感について、
ケーブルはサラサラしたきしめん状で軽量、絡まりにくいですが巻き癖が付きやすいですね。耳掛け部分は形状記憶樹脂のテクノロート採用のものですが、肌触りは良いもののケーブル自体が太いので好みの分かれる所かと思います。予め皮膜などで形状固定されたケーブルに比べれば耳のサイズに柔軟に対応できるのは良いのではないかと。メガネをしてても左程気になる事はありませんでした。
フィット感はお世辞にも良い部類とは言えないですね。ダイナミックドライバを縦に配置している形状から耳穴に深く差し込めず、筐体ではなくイヤーピースとケーブルの二点で固定する感じで装着の際は少し手間が掛かります。そのためイヤーピース選びはしっかりと行った方が良いでしょう。またなるべくイヤホンが耳から垂直になる様に装着するとよりダイレクトに音に浸る事が出来るとの情報もありました。
【音質について】
※上の表は音の量感を表したグラフで、高いほど高音質と言う訳ではないのでご注意下さい。
環境はWalkman NW-A106直挿しです。
【低域】
イヤホンの形状からしっかりとフィットさせれば中々の量感と沈み込みのある低域を味わえますね。広がりと弾力感がありながら中高域をマスクしない丁度良い塩梅のチューニングがなされている印象です。曲の土台をしっかり担ってくれます。輪郭は甘めですね。ソリッドな低域を求める方には合わないかも知れません。
【中域】
ボーカルは半歩引いた位置から鳴る印象、しかし低域にマスクされている様な感じはありません。声の生々しさを感じられる若干ウェットな傾向ですね。明瞭感がありつつもカリカリした感じは無く、比較的自然に鳴る様に感じました。個人的には男性Voよりも女性Voが映える音に思います。
【高域】
高域は刺激的では無く、粗さを感じさせない優しい鳴り方でした。ボーカルの歯擦音も気になりません。それでいて粒立ちは良く伸びもある様に思います。ハイハットやパーカッションのアタック感もしっかり感じられ歯切れ良いです。明るめのサウンドですが金属的な響きや煌めき感は若干弱めです。
【全体】
傾向は弱ドンシャリながらバランスよく纏まっている印象です。前モデルのH3も何度か試聴した事がありますが、H3は分かりやすくハイブリッドらしい低域と高域が強調されたドンシャリサウンドに対し、A3はそこを少し抑えて落ち着いた優等生なサウンドに感じられますね。作り物のサウンドから各帯域の繋がりをより自然にした様な印象です。H3が好みの人は違和感を感じるかも知れません。
試しにプレイヤーをEarstudioに変更したら低音がよりパワフルになり音の密度と迫力が増しました。このイヤホンはDAPやケーブル等上流の影響を受けやすそうです。
16mmの大口径ダイナミックドライバを採用しているのも関係するかも知れません。
【感想とか】
現行のXBAシリーズであるNシリーズのコンパクトさも捨て難い所ではありますが、この耳から遠慮なくはみ出るいかにもBAとダイナミックが入っているんだぞと主張するデザインにびびっと来てしまい購入に至りました。小心者が外で使うのは結構勇気が要りそうですね。まぁメインでポタオデを楽しむのは自室なのでそれ程気にする事も無いでしょう。
正直な所、このバランスの良いサウンドはEDM等を楽しむ自分には結構ハマります。全然色あせた印象もありません。今なら中古で1万円台で入手出来てしまうので興味のある方は突撃してしまうのも良いでしょう。この価格帯の方が沼に陥りやすいのは私の錯覚でしょうか…?
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