【レビュー】ナチュラルサウンドの極致 Westone ES60
- No.44
- 2020年6月3日
- 読了時間: 4分
更新日:2021年8月24日
今回は私が初めてオーダーしたカスタムIEMである、Westone ES60について改めてレビューしていきたいと思います。

オーダーしたのが確か2017年でかれこれ3年も使い続けておりますが、未だに故障も無く現役で活躍してくれています。価格は当時178000円だったのがセールで2万円程安くなっており、それも購入の決め手となってます。記事を書いている現在はセール価格と余り変わらない位になっていますね。(今購入する人が少し恨めしいですね…)
【スペックや使用感について】
まずはネット上に記載されているスペックを羅列します。
感度:118dB
周波数特性:8Hz-20kHz
インピーダンス:46Ω
ドライバ構成:6BA 3WAYクロスオーバー回路(低域x2、中域x2、高域x2)
以前レビューしたWestone UMpro30と同様に感度が高めかつ、インピーダンスが低いので、音量はかなり取りやすい部類です。普段使っているイヤホンよりも低い音量で事足りるかも知れませんね。ちなみにUMpro30よりも低い音量で丁度良い塩梅になっています。

ボア(音導管)は2本あるものが内部で1本に合流する形になっております。ボア径も大きいですね。ツールでの耳垢除去がし易くて個人的に良いと思います。
付属品はこんな感じです。
収納ケース(モニターヴォルトケース)
クリーニングツール
クリーニングクロス
乾燥剤
潤滑オイル
オーナーズマニュアル

結構てんこ盛りでケースのサイズもその後頼んだG4-8BAリシェルのケースより一回り以上大きいものでした。オーダー前に見たものだとケースがオレンジ色だった様な気もしますが仕様変更によるものなんでしょうかね。

続いて使用感について、
フィット感は熱によって軟化するフレックスカナルのお陰で非常に良いです。耳の奥までグリっと押し込まれる感じは自分の個体だとそれ程ありませんでした。耳の浅い所で隙間なくぴったりとフィットして蓋をされる様な感覚で違和感はそれ程無く、口の開閉にもぴったり順応してフィット感の低下も特に感じませんでした。残念なのはフレックスカナル部分が経年劣化で徐々に黄ばんできてしまう事ですね。所持して3年目ですが上の画像の様に結構黄色くなってしまってます。耳の中に入る部分なので気にしなければ大丈夫ですが、どうしても気になる方は予めシェルカラーを黄色くしたりフェイスプレートを不透明なものにして見えにくくすると良いでしょう。
ケーブルはWestone純正のEPICケーブル、このケーブルが細くて絡まりにくくて軽量で使い易いんですよね。見た目も私好みで手持ちのイヤホン全てこのケーブルにしたい位です(笑)
【音質について】

※上の表は音の量感を表したグラフで、高いほど高音質と言う訳ではないのでご注意下さい。
環境はWalkman NW-A106直挿しです。
【低域】
量感は十分でどっしりと構えてくれます。暖かみがありつつもすぱっとキレも感じられ、重さと解像感のバランスが取れている印象です。頭の左右にふわっと広がる様な低域でベースがキモの楽曲だと非常に気持ちよく音に包まれる感覚を得られるかと思います。意外とEDMにも合います。
【中域】
低域が広がるのに対して中域は音像がしっかりと真ん中、若しくは楽器の各位置に配置されて鳴っている印象を受けました。低域にマスクされる感じも無く、明瞭感も感じられます。
ボーカルの歯擦音や破裂音等も感じさせない柔らかい音作りがされています。ドライかウェットかで言うと若干ウェットな印象です。ボーカルの生々しさが感じられる絶妙なバランスですね。ですが曲によっては僅かにボーカルが遠く感じてしまうかも知れません。
【高域】
チャキチャキとした金属的な響きや煌めき感は弱めですが、シンバル・パーカッションの音を必要十分に鳴らしてくれます。刺さりや刺激は少なめのマイルドな音です。歯切れ良く結構近くで鳴ってくれる印象です。
【全体】
再度UMpro30と聴き比べてみたのですが、UMpro30がスッキリに聴こえる程ES60が情報量が多く濃密な音であると再認識する事が出来ました。そして各帯域の繋がりも自然で全体的にナチュラルな印象。耳障りな音も無く暖かみを感じられるウォーム系サウンドで長時間の音楽試聴にも応えてくれます。しかも解像感も両立出来ているというWestoneチューニングの妙を耳全体で感じさせてくれるイヤホンですね。UMpro30の記事にも記載しましたが「聴けば聴くほどそのサウンドが癖になる」感覚を味わえます。

【感想とか】
購入から3年、未だに現役で使い続けていますが何度聴いても「このイヤホン、良い音だなぁ」と思わせてくれます。ウォーミーかつ高解像なWestoneサウンドが好みの方ならとりあえずこのCIEMをオーダーすれば後悔はしないかと思います。
POPSからEDM、ロックにクラシック、多くのジャンルを万能にこなしてくれる包容力のあるイヤホンなのがES60なのではないでしょうか。
今やES70、80と出てきてますがES60のポテンシャルも未だ健在だと個人的には思っています。ご試聴の際はついでにES60やWestoneの他モデルも聴いてみて下さい!高い程自分にとって良い音とは限らないのがイヤホン沼なので…!
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