【レビュー】DIY846[5BA] パチもんも捨てたもんじゃない?
- No.44
- 2020年7月4日
- 読了時間: 5分
更新日:2021年8月24日
今回はちょっと変わった(アウトな?)イヤホンのレビューを行っていきます。

そう、某SHURE社のフラグシップ級イヤホンの模造品になります。中のドライバも全くの別物となっており、なんと1BA分増えています。と言う訳で(これは別物…別物だから…)と自分に言い聞かせて購入に至ったのでした。
購入は6月初め、到着は6月末とおよそ一か月。価格は約1万円でした。一月で到着するのはまだ比較的良心的ですね。5BA機種が1万円、1BA=約1万円相場を知る身としては凄い時代になったものです。中身のドライバーは多分中華の物を使用してコストを抑えているにしてもよくやってくれますよね中華は。
購入の決め手は価格、そしてある程度購入者のフィードバックがあったからですね。日本からのフィードバックもあったので、とりあえず現物が届く事を最優先してこちらのイヤホンを選びました。そして何よりも846のシェル形状ですね…正しく耳にすっぽりハマる為の形状をしているのは非常にそそられます…!一度装着してみたかったのもあるんですよね。
それでは軽くレビューしていきたいと思います。
【スペックや使用感について】
まずは記載されているスペックを羅列します。
感度:118dB/mW
周波数特性:20-40kHz
インピーダンス:22Ω
ドライバ構成:5BAドライバ(31264 + 26845 + 26784 + 30095 + 31142)
感度は比較的高めに表記されていますが実際に鳴らしてみると結構ボリューム必要になる印象ですね。若干鳴らしにくいかもです。
そして周波数特性、40kHzと言う訳で公式?でハイレゾ対応している訳ですね。これならハイレゾ警察も安心ですね。
そしてドライバ、何Way構成かは不明です。ネットワーク回路らしきものも見渡しても見当たらないため、もしかするとネットワーク無しにBAドライバそのままの音で鳴らしているのかも知れません。型番から調べるとノウルズのBAドライバーみたいですね。本物かは分かりませんが、高域と低域向けドライバーの組み合わせでチューニングをしているみたいです。
【内容・付属品】

イヤホン本体
MMCXケーブル
収納ケース
フォームタイプイヤーピース1ペア
シリコンイヤーピース1ペア
と非常にシンプルです。価格を考えるとケーブルが付いてきただけでもありがたいものです。このケーブルの使い勝手が案外良いんですよね。収納ケースもコンパクトで手荷物の邪魔になり難そうでよさげです。それに比べイヤーピースは少な目、気になる方は後から細軸用のイヤーピースを購入するのも良いでしょう。私の場合はSpinfitを買うか検討しましたが標準で付いてきたイヤーピースが丁度良かったのでそのまま運用しています。
【使用感】
ケーブルは編み込みタイプで軽量、絡まり難く巻き癖も付きにくいですね。結構理想に近いケーブルです。耳掛け部分はフック状に形状記憶されていて慣れれば装着も楽ですね。
フィット感は言うまでもなく良好です。逆にこの形状のイヤホンのフィット感が悪い人は耳の小さい方や特異形状の方しか居ないのではないかと思う位には私の耳にはぴったりフィットでした。しっかり密閉されるのでより音楽に浸る事が出来るかと思われます。イヤーピースはSpinfit細軸の他、SHUREのものが流用出来るかと思うので試してみるのも面白いかと。
【音質について】

※上の表は音の量感を表したグラフで、高いほど高音質と言う訳ではないのでご注意下さい。環境はEarstudioのLDAC接続になります。
【低域】
量感と圧のあるベースが特徴ですね。左右への広がりが若干強めで輪郭はそれに比べわずかに甘めです(劣っている訳ではないです)。サブベース成分までしっかり鳴らし、音に重量感を感じられます。装着感が甘かったのかも知れませんが個人的にXBA-A3よりもパワフルな印象を受けました。ただボワついていて量感だけの低音ホンとは一線を画してますね。
【中域】
比較的繊細でドライな印象です。他帯域と比べると若干線の細い印象を受ける方も居るかも知れません。そして意外と癖が無いです。
ボーカルは歯擦音が刺さるギリギリの所を攻めていますね。パワフルな低音に埋もれる事無く丁度良い距離感で鳴ってくれます。女性Voの方が瑞々しく映える音に思います。
【高域】
ハイハットがチキチキと小気味よく鳴り明るいサウンドです。伸びも十分ある様に感じられます。BAドライバそのままの刺激的な鳴りで粗さも残るところではありますが、それが逆に癖になるポイントでもあると思います。籠り感はほぼ無く歯切れも良いですね。残響感は若干感じられます。量感的には低域と同じくらいかそれ以上出ている印象です。
【全体的な印象】
簡単に言うと中域が僅かに弱目の弱ドンシャリサウンドといったところでしょうか。各帯域の分離感があり、滑らかな音とは縁遠い物ですがメリハリがありじゃじゃ馬な印象を受けました。しかし全体的に音楽としては聴けるこの一癖ある感じが個人的には面白い所だと思います。厚みあるパワフルな低音で一発、刺激的な中高域で一発とダブルで良いモノ頂きました。ちぐはぐな音と思う方も居るかも知れません。食べ物で例えるとジャンクフードが近いかと。美味しいけれど絶対に身体に悪いなと思う様なサウンドですね。楽しいけれど長時間の試聴は耳が疲れてしまうかも…。
低域はしっかり欲しいけれど中高域も捨てがたい…そして万能型には飽きてしまった。そんな方の好みに合うかも知れません。

【感想とか】
今まで本元のSHUREのSE846を試聴する機会が数度あったのですが、パッとしないのが正直な所でした(ノズル変更で印象が変わったのかも知れませんが…)。今回このDIY846を聴いてみて改めてSE846と聴き比べてみたいものだと思いました。逆に所有者の方に聴かせてみるのも面白そうですね。

そして中身(ドライバ)の見えるイヤホンはエロい!何度見ても飽きませんね。見て楽しんで聴いてまた楽しむ。これこそイヤホンの楽しみ方です。
価格も1万前後と比較的入手しやすい部類ではあると思うので人柱になるなら今がその時ではないかと思います。こういったものはいつ販売を取りやめるかも分かりませんからね。
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